【KOTOBA Slam JAPAN発足の経緯】


日本では、過去5年、全6回に渡り、ポエトリーリーディングの日本選手権大会

「ポエトリー・スラム・ジャパン」(以下PSJ)が開催されてきました。

 

多くの出場者、観客を魅了したその素晴らしいスラムは、昨年2019年12月をもって開催終了となりました。PSJは、全ての開催において日本代表を選出し、その代表者をフランス・パリにて毎年5月に開催される「ポエトリースラムW杯」(以下W杯)へと送り出し、出場を実現させて来ましたが、前述の終了をもって、来年2021年以降のW杯への代表選出が行われなくなることとなりました。

 

5年に渡り、ポエトリーリーディングを始めとした言語表現パフォーマンスを行う人々が数多く参加し

地域を超えた新たな交流が生まれ、それぞれのパフォーマンスを競い合う中で多くの感情の交歓や有意義な議論が交わされ、また普段なかなか垣間見ることのできない海外のポエトリーリーディング等シーンへの関心も大いに高まりました。日本のリーディング、言語を用いた表現のシーンにとって、そしてそれらを愛好する者にとって、そしてこれから出会う人々にとっても、大きな意義を持つものとなったことは間違いありません。

 

その終了を惜しむ声も多く聞かれる中、昨今の新型コロナウイルスの世界的流行が始まりました。

各国のスラム事情にも大きく影響を及ぼし、2020年5月のパリでのW杯の開催はZoomとFacebookLiveを使用したオンラインでの開催となりました。日本からはPSJ2019年大会優勝の川原寝太郎氏が出場し、オンラインで多くの人々が観戦しW杯の雰囲気や熱気を、画面越しではありますが皆で体感、共有することができました。

 

その日から

「この素晴らしい高まりを1年も放置してはいけない」

「この素晴らしい体験ができる一番の当事者の席を、何も試みないままに空席にしたくない」という気持ちがはっきりと、日に日に大きくなりました。

 

状況から開催は困難を極めること、その為にどなたも新スラムの発足に着手できない状況であること。

だからこそ、私たちがやる意義があるのではないか。

 

その気持ちの元に集まった 三木悠莉、Jordan A.Y. Smith が運営代表となり新たな日本大会=KOTOBA Slam Japanを発足しました。

初シーズンとなる2020/2021大会では全国から114名の出場者が参加、

8つの地方予選大会を行い、全国大会では石渡紀美さんが優勝。

 

2021大会では全国から143名の出場者が参加、12の予選大会を実施、コオリヒロノブさんが優勝 

そして直近の2022大会では158名参加、16予選大会実施、優勝された道山れいんさんは

2023年5月パリ・ポエトリースラムW杯、10月にはブラジル・リオ World Poetry Slam Championship2023にまもなく出場を控えております。

 

KOTOBA Slam Japanの運営代表である2人、三木悠莉は、PSJ2017年秋大会、2018年大会で全国優勝、2018年5月のパリW杯へ出場し、そのW杯でチャンスを得て、その後モスクワのポエトリーフェスティバルに招聘される展開も経験しました。Jordan A.Y Smithは本人もPSJでは2度ファイナリスト進出を果たしただけではなく、パリW杯へ出場する例年の日本代表者の作品の英翻訳も担当して来ました。実現したいという気持ちだけではなく、今までに得た「パリへの道へ関わる喜び」の実体験が、まだまだイレギュラーばかり続いていく大会の発足には必要不可欠であると確信しています。

 

KOTOBA Slam Japan 運営委員